日本語を学ぶ人たちの話。

うちの大学には、日本語を勉強しに世界各国からはるばる留学生がやって来る。



学内でやってることの関係でぼくは留学生と話すことが比較的多いのだが、彼らと話すたびに僕は留学生ひとりひとりの残された時間をフルに使って日本語を学ぼうとする姿勢にいつも学ばされる。


彼らのほとんどは短期留学。約4ヶ月の短い滞在中に、教科書はもちろんテレビ、漫画、僕ら日本人学生との会話、日本でできた彼女との会話からも、貪欲にあらゆる日本語を吸収していく。

 

母国語シックやホームシックになりながら、日本語環境に身を置いて日本語を学ぶことは、すごいことだ。日本という歪な国で、本音と建前がわかりづらい国で、ベジタリアンに優しくない国で習得困難な言語ランキング世界7位の言語を学ぶことがどれだけ大変か。

 

文字だけでも4種、常用漢字だけで2136字、そのほとんどが2つ以上の読み仮名を持ち、アルファベットはローマ字表記で数字すら漢字で書かれる言語ってだけでも大変なのに文法も複雑ときた。


「今日、11月3日は敬老の日という日本の祝日ですが、今年は日曜日でしたので、明日も振替でお休みです。」という文に「日」は8回登場するが、同じ読みは1つもないのである。


そんな言語を話せる時点で彼らは称賛されるべきなのに、日本人には「カタコト」と評され、外人と呼ばれる。それでいいのか日本人よ。

僕はすべての日本語学習者を尊敬している。僕には到底できない努力の積み重ねをしてきた人々だからだ。今大学に来ている留学生も、そうじゃない人も、「外人」と呼ばれる日本語学習者たちはもっと尊敬されるべきだと僕は思う。